自律神経のバランスが崩れると、頭痛・動悸・めまい・胃腸症状・不眠など多彩な不調が起こります。 当院では、睡眠の質を土台に、生活リズム・ストレス背景・身体疾患の有無まで総合的に評価し、再発しにくい状態づくりをサポートします。
自律神経失調症とは
自律神経は、呼吸・血圧・体温・消化などを自動で調整する「交感神経」と「副交感神経」からなります。 生活リズムの乱れやストレス、ホルモン変動などが重なると、この切り替えがうまくいかず、心身のさまざまな不調が続く状態を「自律神経失調症」と呼びます。 明確な単一疾患というより“バランスが崩れた状態”であり、背景を丁寧に探ることが回復の第一歩です。
よくみられる症状
- 頭痛、めまい、耳鳴り、ふらつき
- 動悸、息切れ、胸の圧迫感
- 胃の不快感、吐き気、便秘・下痢の反復
- 全身倦怠感、微熱、手足の冷え・しびれ
- 睡眠の不調(寝つけない・途中で起きる・熟睡感がない)
- 不安感、イライラ、気分の落ち込み
- 月経不順や更年期に伴う不調
※ 症状は人によって組み合わせや強さが異なり、日によって変動することもあります。
原因・背景
- 生活リズムの乱れ:睡眠不足・昼夜逆転・過度のカフェインや飲酒・運動不足
- 心理社会的ストレス:仕事や人間関係、環境変化、情報過多による緊張状態の持続
- ホルモン変動:更年期・月経周期、甲状腺機能の異常など
- 身体疾患・薬剤:貧血、脱水、感染後、服用薬の影響など
- 思考の癖:我慢・抱え込み・完璧主義などで負荷が蓄積
当院での評価
自律神経の不調は複合要因で起こります。以下のことを必ず確認します。
- 身体面の確認:血圧・脈拍・体温、必要に応じて採血(貧血・甲状腺など)
- 睡眠評価:就寝/起床時刻、睡眠習慣、いびき・無呼吸の可能性
- ストレス背景:仕事量・人間関係・生活環境の変化
治療の方針
1)対症療法(症状をやわらげる)
- 薬物療法:不安・緊張の緩和、めまい・頭痛など各身体症状に応じて投薬。
- 環境調整:刺激の整理、情報の断捨離、休息の確保
2)根本アプローチ(土台を整える)
- 睡眠指導:睡眠リズムの調整、カフェイン/アルコールの摂取指導、昼寝の取り方
- 行動療法・ストレスケア:認知行動療法、呼吸・リラクゼーション
- 生活習慣の調整:運動・食事・入浴・デジタルデトックスなど
受診の目安
- 不調が数週間以上続き、仕事・学業・家事に支障が出ている
- 症状が増えたり、種類が増えていく
- 寝ても回復せず、朝からだるさや不安が強い
- 市販薬や自己流の対策で改善しない
背景に身体疾患が隠れている場合もあります。早めにご相談ください。
診療の流れ
- 初診:症状・生活リズム・睡眠状況を丁寧にヒアリング
- 検査:必要に応じて採血などで身体面を確認
- ご説明:不調のメカニズムを共有し、治療計画を一緒に作成
- 治療開始:対症療法+睡眠と生活の立て直しを段階的に
- 再発予防:小さな変化を積み重ね、負荷が高まる時期の備えも確認
「なんとなく不調が続く」「検査は異常なしと言われたのに辛い」——そんな時は、自律神経の視点で一度立ち止まりましょう。
睡眠から整えるケアで、明日の調子を取り戻すお手伝いをします。